急速冷凍機は、昨今の食品関連業界が抱える多くの課題を解決へ導く重要な設備のひとつであり、飲食店や食品メーカーでさまざまな活用方法が考えられるのが特徴です。便利で利用意義の大きい急速冷凍機ですが、高性能な設備のため、導入費用が高額となるのが、導入へのハードルを高くする要因となっています。補助金を活用して、導入への負担を軽減するとよいでしょう。今回は、急速冷凍庫機の導入の際に使える補助金を一覧で解説します。急速冷凍機の導入を検討している人や、急速冷凍機の補助金について詳しく知りたいと考えている人は、ぜひ参考にしてください。
急速冷凍機の仕組みや役割
急速冷凍庫機とは、食品を通常の冷凍よりも急速に冷凍できる設備です。
通常の冷凍では、食品の品質や鮮度が落ちてしまい、提供する商品の品質にも影響を及ぼします。食品の内部に含まれる水分が氷に変わる温度の状態が長いと、食品の細胞膜が破壊されるため、旨味が失われる原因となります。
急速冷凍機を活用すれば、風力と液体の流れを利用して冷凍するため、冷凍機内の温度を一気に下げることができるため、食品の旨味を残して冷凍できるという大きなメリットがあります。
急速冷凍機の値段
食品の保存や商品の品質向上に役立つ急速冷凍機ですが、その性能の高さゆえに、数百万円から数千万円の設備投資費用がかかるのが一般的です。
導入費用は、小型の急速冷凍機の場合は、約200万円から400万円が相場です。中型の急速冷凍機では、約500万円から1,000万円、大型の急速冷凍機になれば、約1,000万円以上の導入費用が相場となっています。
急速冷凍機の性能や、大きさなどの規模によって導入費用は異なり、さらに、搬入のための手数料や設置工事費用が別途発生する点にも注意が必要です。
また、導入費用だけでなく、設置後の運用のためのランニングコストにも着目すべきです。急速冷凍機の使用に伴う電気代や、機器の様式によっては液体やガスの補充が必要となるためその補充のための費用、さらに定期的なメンテナンスにかかる費用も発生します。
特に電気代は、急速冷凍機のランニングコストの中でも大きな割合を占めるため、費用感を把握しておくことが重要です。急速冷凍機の機種や稼働時間により電気代は大きく異なるため、導入後の稼働スケジュールを算出し、事前におおよその目安を認識しておくと良いでしょう。
急速冷凍機の補助金制度の背景
導入のためのイニシャルコストや、設置後の運用のためのランニングコストが発生する急速冷凍機ですが、その必要性や重要性が認められ、国の補助金制度が充実しています。
急速冷凍機が持つ、食品の品質や旨味を保持する機能は、日本の中小企業の生産性向上と、競争力強化に一役を担います。食品の旨味を保持したまま品質を落とさずに長期保存を可能にする急速冷凍の効果により、計画的に在庫を管理できるため、原材料や人員確保にゆとりができ、フードロスの軽減や、人員不足による営業休止などの課題解決につながります。
大量の食品が、まだ食べられる状態であるにもかかわらず大量に廃棄されてしまうフードロス問題や、飲食業界の人員不足は日本企業全体の問題のひとつであるため、その両方の解決に一役を担う急速冷凍機の導入に対し、補助金制度が用意されています。
また、急速冷凍機には、食糧確保やサプライチェーンの安定化に役立つという側面もあります。急速冷凍機を活用できれば、旬のある海産物などの品質保持や保存が容易になり、不作などの原因による供給不足に対応し、安定的な食料提供に寄与します。
さらに、急速冷凍機の補助金制度は、新しいビジネスモデルの創出を支援するという意味合いも持っています。急速冷凍機の強みを活かし、国内全域や海外へ販売や、ECサイトでの販売拡大など、商品の販路拡大のチャンスを広げることが可能です。
このような販路拡大に急速冷凍機の補助金制度を利用させることで、中小企業の事業拡大の後押しをするための制度でもあると言えます。
急速冷凍機導入の補助金の種類
急速冷凍機の補助金制度には、利用する目的や対象となる事業者の違いなどにより、大きく分類して4種類の補助金が存在します。
ものづくり補助金
ものづくり補助金という制度は、中小企業や小規模事業者が対象の制度です。革新的な製品やサービス開発に利用したり、生産のプロセスやサービス提供方法を改善する目的のために支給される補助金です。
ものづくり補助金は、従来の冷凍技術では開発できなかった、急速冷凍機の導入によって初めて開発できる商品のアイディアがある場合などに有効です。旨味や鮮度を逃さない製法でできた新商品が、高級店や百貨店で取り扱われるなど、新しさや革新性を備えた事業に対して支給される補助金です。
急速冷凍機の導入が、ものづくり補助金の対象に当てはまることが多く、食品メーカーや水産加工関係の中小企業に、有利に活用できる補助金制度です。急速冷凍機本体の購入費用である「機械装置費」に対し、補助率は原則1/2(小規模事業者においては2/3)となっています。
補助の上限額は申請時の「申請枠」によって異なり、「通常枠」での申請の場合は750万円から1,250万円、「省力化(オーダーメイド)枠」では750万円から8,000万円であり、大規模な設備投資であっても補助が下りる可能性がある点が魅力です。
ものづくり補助金の支給の可否は、急速冷凍機導入によっていかに事業全体の生産性や収益性が向上するかを、具体的な数値を示した事業計画書を作成し、補助金の有効活用が可能である根拠を明示することが重要です。急速冷凍機の導入が、いかに革新的な新商品を生み出し、市場での優位性を確立できるのかをアピールすると良いでしょう。
事業再構築補助金
事業再構築補助金は、社会経済状況の変化に対応するために、事業の転換や新たな分野への挑戦など、中小企業の事業支援のための補助金です。事業再編なども、この補助金の対象となります。
新型コロナウイルスのまん延や、物価高騰などの社会情勢に対応するための事業転換や事業再編のための大型な設備投資として活用されるケースの多い補助金のひとつです。急速冷凍機の導入により、新たな顧客の創出や収入の確保につながると認定されれば、数百万円から数億円規模の補助額となるのも大きな特徴です。
事業再構築補助金は、広告宣伝費なども補助の対象となるため、急速冷凍機の導入の他にも付随する費用も対象となりますが、売上高減少要件を満たしていること、経済産業省が定める事業再構築指針に沿った事業計画が策定されていることが必須要件であり、申請の難易度は他の補助金に比べやや高いという特徴があります。
事業再構築補助金の認定のためには、明確な新規事業のビジョンや事業再構築の道筋を明らかにした、具体的な計画の準備が不可欠と言えるでしょう。
小規模事業者持続化補助金
小規模事業者持続化補助金は、常時使用している従業員数が少ない小規模事業者が対象の、事業の販路開拓や、生産性向上のための取り組みを支援する補助金制度です。
小規模事業者持続化補助金は、急速冷凍機本体の購入そのものを直接的に補助する目的の補助金ではありませんが、急速冷凍機を導入した後の「販路開拓」に活用するための費用を支援するという目的に沿って支給されることがあります。
販路拡大のために使用される広告宣伝費や、地域のイベントや物産展への出店の際にかかる費用など、さまざまな用途に活用できるという魅力があります。
小規模事業者持続化補助金の補助上限額は原則50万円で、他の補助金の上限額にひかくすると少額ではありますが、申請手続きが比較的簡単で、小規模事業者が活用しやすい補助金だと言えます。すでに急速冷凍機を導入している企業などが、新製品のPRのために使う費用に小規模事業者持続化補助金を充てられるため、急速冷凍機を導入済みの場合にも補助金の活用ができる点も魅力の一つだと言えます。
従業員が少ない規模の中小企業や事業所で、急速冷凍機の導入によって制作した商品のプロモーションに注力したいと考えているケースにぴったりです。
省エネルギー投資促進支援事業費補助金
省エネルギー投資促進支援事業費補助金は、エネルギー使用量の軽減を目的とした設備投資を導入する際の支援のための補助金制度です。
既存の古い設備を刷新し、最新設備投資として急速冷凍機の導入を検討している場合などで、有効に活用できる補助金だと言えます。
省エネルギー投資促進支援事業費補助金を活用したい場合は、導入する予定の設備が一定以上の省エネルギー効果があると見込まれるかどうかが重要視されます。急速冷凍機の導入の前後で、どれだけの省エネルギー効果があるのかを、具体的な数値を算出し、示さなくてはいけません。電力量と電気代のどちらもを試算して、急速冷凍機の導入効果を実証できるデータを示す必要があります。
補助対象経費は、省エネルギー性能の高さが認められた急速冷凍機本体の購入費用が中心となり、補助率は対象となる経費の1/3から2/3程度です。省エネルギー投資促進支援事業補助金の申請時には、導入予定の急速冷凍機本体などの設備の省エネルギー性能に関する資料や、導入前後のエネルギー消費量を比較した、詳細な算出根拠などを、申請書に合わせて提出することが求められます。
企業としても、環境配慮や省エネルギーは、社内全体で解決したい課題のひとつに挙げられるでしょう。省エネルギー投資促進支援事業費補助金が採択され、会社の省エネルギーと設備投資費の負担軽減を両立して実現できるよう、入念な準備が重要になります。
各種補助金の申請方法
急速冷凍機の導入に際しての4種類の補助金は、いずれも申請を通じて採択の可否が決定されますが、申請書だけではなく、戦略的に事業計画書を提出することがポイントです。入念な準備が、採択の可否に大きな影響をもたらします。
申請の一連の流れを把握し、計画的に準備を進めていけるようにしましょう。
募集要項のチェック
一番初めにチェックしておくべき点は、各補助金の公募要項を熟読することです。
補助金制度は数年前から実施しているものが多くあるため、必ず最新の公募要項を読むようにします。要項は、各補助金の公式サイトよりダウンロードできるので、目的や対象者、申請方法などを詳細にチェックしましょう。
補助金の申請をしたくても、事業や申請者が、その補助金の対象ではない場合は、申請や計画書の策定にかかる時間や労力などの一切のコストが無駄になり、別の補助金の申請や資金繰りを検討しなくてはならなくなるといった事態にもなりかねません。
事業計画を策定
補助金の公募要項を確認し、目的や対象の相違がなければ、事業計画の策定に進みます。審査項目に着目しながら、急速冷凍機の必要性や、急速冷凍機が導入されどのような課題解決や事業の成長が見込めるのかを客観的にとらえ、具体的なデータを示した事業計画を策定できると良いでしょう。
事業計画書は、補助金の採択においてもっとも重要な要素であり、あいまいな表現のみの内容では、具体性に欠け、審査で不採択となる可能性も高くなります。
事業計画書のなかで、一貫したストーリーが描かれているかを意識しながら策定するのがおすすめです。自社の課題を挙げ、急速冷凍機の導入によりその課題が解決でき、自社の将来像がどのようになっているかを、一貫して説明できる内容になっているかがポイントです。
ストーリーに矛盾がないかに加え、各補助金の審査における加点項目や審査項目に触れているかも大切なポイントです。加点項目や審査項目に、どのように貢献できるのかを詳細に述べられるようにしておきましょう。
事業計画書が仕上がると、内容が各補助金の目的に合致した内容になっているか、整合性を再度確認しましょう。補助金の目的から逸脱せず、合理的に活用できる内容となっていれば、理解や共感の得やすい事業計画書ができあがるでしょう。
必要書類と申請環境を用意
事業計画が完成すれば、事務手続きを進めていくステップに移ります。補助金申請は電子申請にて手続きをするため、「GビズIDプライムアカウント」を事前に取得しておくとスムーズです。
GビズIDプライムアカウントは、補助金申請をはじめとする各種の行政手続きをオンラインで実施する際に必要なアカウントです。アカウントの取得に際しての審査があり、数週間の時間を要することもあるので、必ず先にアカウント取得申請を済ませておきましょう。
補助金の申請に必要な書類は、申請書や事業計画書のほか、履歴事項全部証明書や決算書などが必要になるため、提出する書類を事前に確認し、こちらも早めに準備を進めていくと良いでしょう。書類不備があれば審査が滞り、補助金の採択の可否結果を知るまでに時間を要してしまうため、スピーディーに行動できるよう、事前準備が重要となります。
申請手続きに着手
すべての準備が整えば、GビズIDプライムアカウントを利用して補助金の申請に着手します。各補助金の「電子申請システム」にログインし、ウェブ上で必要情報を入力し、準備した書類をアップロードすることで、申請が完了します。
どの補助金でも、申請締切の直前はアクセスが集中し、システムが不安定になり、フリーズして先へ進めないという可能性があるため、時間にゆとりを持って作業をすすめましょう。入力漏れや間違いがないかも入念にチェックしておきましょう。
結果発表
各補助金の申請後、審査を経て、補助金採択の可否について結果発表があります。採択となれば補助金が受け取れる運びになりますが、交付のための申請が必要となる点に注意が必要です。
交付手続きを経て、「交付決定通知」を受け取れます。そして、この交付決定通知を受け取った後でないと、急速冷凍機の契約や発注ができないというルールに留意しましょう。
交付の決定から事業の完了、その後実績報告を経て、補助金の振り込みが完了します。この流れを理解せずに補助金を受け取る順序を間違えてしまうと、補助金の対象外となってしまいます。大きなトラブルになりかねないので、仕組みやルールを誤認しないよう、社内でよく周知しておきましょう。
急速冷凍機の補助金についての相談が可能
今回は、急速冷凍機の導入に際して活用できる補助金について、一覧で解説しました。高額な設備投資となる急速冷凍庫ですが、補助金を活用して、効果的に活用できる手段があります。急速冷凍庫を導入したいと考えている人にとって非常にありがたい制度ではありますが、申請が煩雑であったり、申請において最重要となる「事業計画書」の策定方法がわからないといった困りごとをかかえる事業者も多いでしょう。急速冷凍庫の導入のための補助金申請を、専門家によるサポートを活用して進める方法もあります。プロの知見を活用し、よりスムーズに、より確実に各種補助金の採択を実現できる可能性が高まるでしょう。
- ジャンルを問わない急速冷凍機
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3Dフリーザー/株式会社コガサン
引用元:https://kogasun.com/3Dフリーザーは、世界初の特許技術による冷凍で食品の美味しさをキープしたまま保存できる点が食品業界で評価を得ています。
繊細な飾りつけや、従来では冷凍ができないと思われていた食品など、「冷凍ができれば叶うのに…」と販路拡大や大量生産を諦めていた食品事業者の方におすすめしたい急速冷凍機です。
