フードビジネスの新しい考え方である、新調理システムに注目が集まっています。作りたてであればいいという考え方から脱却した、急速冷凍機などを活用したシステムで、食品の品質管理やプロセスの効率化に大きく貢献し、飲食業界で成功に近づける手段のひとつです。この記事では、新調理システムについて解説しているので参考にしてください。
新調理システムとは
新調理システムは、安全とおいしさ、効率性をもたらすシステムです。食材の生産から食べるまでの全工程において、危険性を明確にし、管理点や方法を確認、記録する、一般小売業レベルにおけるHACCPに基づいて行われます。
また、おいしさに科学的計数管理を採用し、数値化するというのが特徴です。フードサービス業界では、これまで感覚や経験に頼った料理の品質管理が一般的でした。しかし、新調理システムでは、調理科学の視点から、計数管理を導入し、料理レシピの再現性を向上させています。
これにより、料理の品質、サービス、食品衛生の向上に寄与し、Quality（質）・Service（サービス）・Cleanliness（清潔）の三原則を、誰でも実現できるのが特徴です。
さらに、料理の品質・サービス・食品衛生の向上に加え、食材や水道光熱、人件費の管理にも効果を発揮します。科学的なアプローチにより、感覚的な要素だけでなく、計数管理に基づいた経営が可能となり、フードビジネスの成功に大きく寄与できます。
新調理システムは、飲食事業者に、未来志向の効果的な経営手法を提供しているシステムです。
新調理システムの3つの仕組みについて
新調理システムは、一般小売業レベルにおけるHACCPに基づき、科学的に計数管理された食事提供が特徴的な食事生産システムです。新調理システムは、3つの仕組みによって成り立っています。詳しく見ていきましょう。
クックサーブ
クックサーブは、食事を提供する当日に、その都度調理を行い、即座に提供する従来の調理方式です。短時間で調理可能なメニューが中心で、作りたての食事を提供できることがクックサーブの魅力です。
しかし、まったく従来通りの調理方法をとりません。新調理システムにおけるクックサーブは、調理担当者の感覚だけで調理するのではなく、計数によるコントロールが基準とされます。外部から調理された食品を最終調理して提供する場合も、クックサーブに含まれます。
クックチル
クックチルは、クック（調理）してチル（チルド保存）するという意味です。計画的に加熱調理された食材を急速冷却し、0〜3℃のチルド状態で保存した後、食べる時間に合わせて再加熱し、盛り付けます。
大量に調理しても安全性を確保できるよう、HACCP概念に基づいた温度・時間で管理することが重要となるシステムです。
クックフリーズ
クックフリーズは、クックチルと同様の工程で生産されますが、冷却と保存の温度を、食材の芯温ベースで-18℃以下に設定しているのが特徴です。当日調理が難しい献立や、複雑な調理工程が必要な場合に利用され、一定の品質で大量の料理を提供できる形態です。
また、チルド状態にした料理を器に盛付け、再加熱カートなどの専用機器を使うことにより再加熱するニュークックチルと呼ばれる手法もあります。最終工程の盛付け作業を前倒しすることで、提供前の必要人員や作業量削減に貢献できます。
新調理システムで成功に導く
新調理システムは、とくにセントラルキッチンの運営において最大限に効果を発揮します。このシステムを導入することで、食品の安全性や品質管理が劇的に向上し、加熱調理のデータ化と管理が可能です。
温度と時間の管理によりバクテリアコントロールが実現され、集約された生産システムにより合理化が進むでしょう。セントラルキッチンによる生産は、提供までの時間経過が従来の調理方法よりも長いため、高い衛生管理の意識が不可欠です。
したがって、新調理システムの衛生管理はHACCP概念に基づいており、従来の基本をベースするとともに、厳格な管理が求められています。一方で、新調理システムは、生産管理、品質管理、衛生管理、安全性の面で多くのメリットがあります。
まずは、大量調理が可能であり、作業効率が向上することが期待されます。また、品質管理においては、保存期間を長くしても、温度・時間管理により品質が悪化することがなく、バラツキを防げるのが長所です。衛生管理・安全性では、バクテリアコントロールや記録化を徹底することで、安心して食事を提供できます。
以上のように、新調理システムを導入したセントラルキッチンは、非常に効率的な運営が可能ですが、それを支えるためには温度・時間管理がしやすい電化機器の選定が不可欠です。
加熱・冷却・保存・再加熱の工程において温度・時間管理が可能な大型冷却機器の選定が重要であり、安定的で効率的な急速冷却が食材の品質を保つ鍵となることを覚えておきましょう。
まとめ
新調理システムは、急速冷凍機を核とした飲食業界の新しい提供方法です。温度・時間管理を徹底することで、生産プロセスの合理化、衛生管理の徹底が図れるなど、多岐にわたるメリットがビジネスに大きな成功をもたらします。
食事は作りたてがよいと考えられてきた従来型の調理では、多くの人々に効率的に料理を提供できないでしょう。新調理システムの活用により、より効率的で、安定的な料理提供が実現するのです。
- ジャンルを問わない急速冷凍機
-
3Dフリーザー／株式会社コガサン
引用元：https://3d-freezer.com/3Dフリーザーは、世界初の特許技術による冷凍で食品の美味しさをキープしたまま保存できる点が食品業界で評価を得ています。
繊細な飾りつけや、従来では冷凍ができないと思われていた食品など、「冷凍ができれば叶うのに…」と販路拡大や大量生産を諦めていた食品事業者の方におすすめしたい急速冷凍機です。
おすすめの急速冷凍機７選
