冷凍食品を解凍した時に、肉から赤い液体が出た経験はありませんか?実は、この赤い液体は「ドリップ」と呼ばれるもので、量が多いと食品の味や風味が劣化するだけでなく、食中毒の原因にもなります。そこで本記事では、ドリップが発生する原因と影響、そしてドリップ量を抑えるための方法について詳しく解説していきます。
ドリップってそもそも何?
ドリップは、冷凍・解凍時に食品細胞から流れ出る水分のことです。食品を冷凍すると、細胞内の水分が氷結晶になり、細胞膜が破損します。解凍されると、氷結晶が溶けて水分となり、細胞膜が破損したところから流れ出ます。
ドリップには、タンパク質、ビタミン、旨味成分などが含まれています。これらの成分は、食品の味や風味を左右する重要な役割を果たしています。しかし、ドリップ量が多いと、これらの成分が流れ出てしまい、食品の味が薄くなったり、パサパサしたりしてしまいます。
また、ドリップのなかには食中毒の原因となる細菌が含まれている場合もあるので、注意が必要です。解凍した食品は、すぐに調理するか、キッチンペーパーなどで水気を拭き取るようにしましょう。
ドリップは、冷凍食品の解凍時に発生する避けられない現象です。しかし、ドリップ量を抑えることで、食品の味や風味、安全性を保つことができます。
ドリップしやすい食品・しにくい食品
ここでドリップしやすい食品としにくい食品の例を見ていきましょう。
ドリップしやすい食品
ドリップが出やすい食品は、主に肉類や魚介類など水分量が多く細胞膜が薄いものが挙げられます。これらの食品は解凍時に細胞膜が破損しやすく、とくに脂肪の多い部位はドリップが多く出やすい傾向があります。
たとえば、牛肉や豚肉、鶏肉などは水分量が多く、細胞膜が薄いため、解凍や加熱時に水分や脂肪が溢れ出しやすいです。そのため、調理する際にはキッチンペーパーなどで余分な水分や脂肪を取り除くなどの工夫が必要です。
野菜や果物も同様で、水分の多いものほどドリップが出やすい傾向があります。たとえば、レタスやキャベツ、トマトなどの葉野菜や果菜類は、解凍や加熱時に水分が溢れ出しやすいです。このため、解凍後や調理前に水気を十分に取り除くことが重要です。
ドリップしにくい食品
ドリップが出にくい食品には、豆類やイモ類、加工食品などがあります。これらの食品は水分量が少なく、細胞膜が丈夫なため、解凍や加熱時にドリップが発生しにくいです。
たとえば、大豆や小豆、レンズ豆などの豆類は水分量が少ないため、解凍後はそのまま調理できます。また、じゃがいもやさつまいも、里芋などのイモ類も水分量が少なく、細胞膜が丈夫なため、ドリップが出にくいとされています。
加工食品も水分量が少ないだけでなく、細胞膜が丈夫になっているため、ドリップが出にくいとされています。たとえば、ソーセージやハム、チーズなどは加工された食品であり、解凍後にそのまま食べられますし、調理してもドリップが発生しにくいです。
以上のように、食品の特性によってドリップの発生量は異なります。食材の選択や調理方法を工夫することで、おいしく食事を楽しむためのポイントとなります。
ドリップ量を抑える方法
ドリップ量を抑えるためには、冷凍方法、解凍方法、そのほか、いくつかの方法に注意することが大切です。
冷凍方法
急速冷凍機は、食品を短時間で冷凍することで、細胞膜の破壊を抑えられます。細胞膜が破壊されると、ドリップが流れやすくなってしまうため、急速冷凍はドリップ量の抑制に効果的です。
家庭用冷蔵庫の冷凍庫では、-18℃前後が限界温度となりますが、急速冷凍機は-30℃以下まで急速に冷凍できます。急速冷凍することで、氷結晶が小さくなり、細胞膜へのダメージを最小限に抑えられます。
また、金属製のバットは、熱伝導率が高いため、食品を素早く冷凍できます。熱伝導率が高いということは、食品内部まで素早く冷やせるため、細胞膜が破損する前に冷凍でき、ドリップ量を抑えられます。
アルミホイルやプラスチック容器よりも、金属製のバットの方が熱伝導率が高いため、ドリップ量を抑える効果が期待できます。食品を薄く平らに冷凍することで、解凍時間が短くなり、ドリップ量を抑えられます。食品が厚いと、解凍に時間がかかり、細胞膜が破損しやすくなってしまいます。
解凍方法
冷蔵庫解凍は、ゆっくりと解凍することで、細胞膜の破壊を抑えられます。急速冷凍とは逆に、ゆっくりと解凍することで、細胞膜がゆっくりと解凍され、破損するのを防ぐことができます。
冷蔵庫解凍は、時間がかかるデメリットがありますが、ドリップ量を抑える効果が最も高い解凍方法です。時間に余裕がある場合は、冷蔵庫で解凍しましょう。流水解凍は、短時間で解凍できる方法ですが、ドリップ量が多くなります。
流水解凍は、水の流れによって食品が急速に解凍されるため、細胞膜が破損しやすくなってしまいます。流水解凍で解凍した場合は、解凍後はすぐに調理するか、キッチンペーパーで水気を拭き取りましょう。
まとめ
ドリップは、冷凍食品の解凍時に発生する水分です。ドリップには、タンパク質、ビタミン、旨味成分などが含まれていますが、ドリップ量が多いと食品の味や風味が劣化するだけでなく、食中毒の原因にもなります。ドリップ量を抑えるためには、冷凍方法や解凍方法に注意することが大切です。急速冷凍機を使う、冷蔵庫で解凍する、冷凍前に塩を振るなど、さまざまな方法があります。冷凍食品をおいしく、安全に解凍するためには、ドリップについて理解し、適切な方法で解凍しましょう。
- ジャンルを問わない急速冷凍機
-
3Dフリーザー/株式会社コガサン
引用元:https://kogasun.com/3Dフリーザーは、世界初の特許技術による冷凍で食品の美味しさをキープしたまま保存できる点が食品業界で評価を得ています。
繊細な飾りつけや、従来では冷凍ができないと思われていた食品など、「冷凍ができれば叶うのに…」と販路拡大や大量生産を諦めていた食品事業者の方におすすめしたい急速冷凍機です。