瞬間冷凍と急速冷凍は何が違う?使い分ける意味や定義があるのかを解説

公開日:2024/01/05 最終更新日:2024/01/09
瞬間冷凍と急速冷凍は何が違う?使い分ける意味や定義があるのかを解説

近年、急速冷凍が食材の鮮度を保ったまま保存できる技術として注目されています。特に鮮度が落ちやすい魚の保存方法として活用されています。冷凍機には、急速冷凍や瞬間冷凍などの表記が見られますが、名称の違いに意味があるのでしょうか。今回は急速冷凍の意味や定義、それぞれの違いの有無を解説します。

急速冷凍(急速凍結)とは?

急速冷凍とは、通常の冷凍(緩慢冷凍)よりも早く凍結することで、急速凍結とも呼ばれます。急速冷凍は、食品内部に大きな氷の結晶が発生してしまう-1℃〜-5℃の温度帯(最大氷結晶生成帯)を30分以内に通過する冷凍方法です。

大きな氷の結晶ができてしまうと、食品の組織が壊されたり、部分的に成分が濃縮されたりするため、食品の品質が低下しやすくなります。大きな氷の結晶ができた食品を解凍すると、壊れた細胞から水分や栄養素がドリップとして流出したり、食感が悪くなったりします。

こうした食品の劣化を防ぐために開発されたのが、大きな氷の結晶ができてしまう-1〜-5℃を早く通過させる技術です。急速冷凍に向いている食材と不向きな食材があります。向いている食材は以下のとおりです。

・肉類

・魚介類(赤身の魚、イカ、タコなど)

これらの食材は組織がしっかりしているため、急速冷凍に向いています。以下の食品は急速冷凍に不向きです。

・レタス

・トマト

・ゴボウ

レタスやトマトのように水分が多い野菜は、凍結させた際の氷結晶が大きくなってしまうため、冷凍そのものに不向きです。ゴボウは解凍時に繊維の周りの組織が空洞化して、筋っぽい食感になるため不向きとされます。食材をすばやく凍らせるメリットは以下のとおりです。

・食品をおいしい状態で長期間保存できる

・廃棄物を削減できる

・添加物を使用しなくてもよくなる

鮮度を保った状態で食材を凍らせることで、特定の時期にしか出回らない食材を長期保存し、一年を通じて供給できるようになります。加えて、緩慢冷凍よりも素早く凍らせることにより、食材の品質のムラがなくなるため、食材を安定して長期保存できるようになります。

おいしい状態で長く保存できるということは、余った食材を急速冷凍して長期保存できることにつながります。現在、環境問題への配慮などから食品ロスの削減を進める動きが活発化しています。天候などにより生産量が多くなりすぎた食材を急速冷凍することで、食品ロスを減らせる可能性が高まるでしょう。

食品を長期保存する技術が発達することで、高い品質を長い間維持できます。そうなれば、保存料や着色料、防腐剤などの添加物を使用しなくてもよくなるというメリットもあるでしょう。急速冷凍は、食材を資源として長期保存・活用するための有力な手段となるでしょう。

急速冷凍機は瞬間冷凍機やショックフリーザーと同じ?

食品を短時間で凍結させる機器には、急速冷凍機・瞬間冷凍機・ショックフリーザーなど色々な名称がつけられています。これらは、いずれも急速冷凍する機械という点で同じ機能を有しているため、ほぼ同じものとみなしてもよいでしょう。しかし、冷凍機によって用いられている技術は異なります。主な急速冷凍法は以下のとおりです。

・液体凍結法(ブライン方式)

・接触式凍結法(コンタクト方式)

・液化ガス方式

・気体冷却法(エアーブラスト方式)

液体凍結法は、高濃度の塩溶液やアルコール類からなるブライン液に食品を漬け込む方法です。接触式凍結法は冷却した金属板の間に食品を挟み込む方法です。液化ガス方式は-196℃の液化ガスや-79℃の液化炭酸ガスを食品に噴霧する方式です。

気体冷却法は、-20〜-40℃の空気を吹き込み、冷凍庫内の温度を下げる方式です。どの方式を採用しても、-1〜-5℃の温度帯を最短時間で抜けることで、品質を高く保った状態で食品を冷凍できます。

使い分けや機能面での違いはあるのか

急速冷凍法によって、使用できる食材が異なります。液体凍結法は、スピーディかつ簡単に冷凍できる方法です。冷凍用の袋に食材を入れて冷たい液体に浸すだけであるため、誰でも扱えるのがメリットです。

しかし、食品を入れる袋を真空にしなければならないため、ケーキなど形が崩れやすい食品の冷凍には不向きです。接触式凍結法は、金属板で食品を挟みこみ冷凍するため、効率よく冷凍できます。その反面、金属板で挟むため、形がある程度崩れてもよい食品にしか使用できません。

液化ガス方式は、急速かつ大量に冷凍することができます。大規模な工場で、短期間に大量の食材を冷凍するときに用いられます。弱点は液化ガスを補充する必要があるためコストがかさむことです。

気体冷却法は、食材内部の水分を失うことなく急速冷凍できる方法で、作りたての温度が高い食品でもそのまま冷凍可能です。ただ、庫内の風の吹き方により凍結ムラが怒る可能性があります。どの急速冷凍法も一長一短あるため、使用する食材にあわせて凍結方法を選択しなければなりません。

まとめ

今回は冷凍方法について解説しました。急速冷凍も瞬間冷凍も、ショックフリーザーも基本的に急速冷凍機である点に変わりありません。しかし、食材の鮮度を保ったまま保存できる点は同じですが、冷凍方式が異なると適している食材が変わってきます。名称よりも、どの冷凍方式を採用しているかに注目して急速冷凍機を選んだほうがよいでしょう。

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引用元:https://kogasun.com/

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引用元:https://kogasun.com/
引用元:https://technican.co.jp/
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会社名株式会社コガサン
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